2012年第5回 東医研・中野共立病院 薬局活動研究発表会 開催
3月3日土曜の午後3時から6時、中野サンプラザにおいて46名の参加で開催されました。第1回は、薬局長も皆パワーポイントで発表できるようになろうと始めた研究発表会ですが、毎年1回の開催を続けて5回目となりました。日常の業務や活動を振り返りまとめる機会として、また皆で共有し学び合う場として定着してきました。 4回目からは外部にも呼びかけ、今年の5回目は繋がり、薬学生が5名、外苑企画の薬剤師が6名、中野共立病院看護師2名、中野在宅ケアマネ2名が参加してくれました。
●演題発表と学習会の2本立て
今回は、前半は演題の発表、後半は学習会の2本立てで行いました。
演題は、(1)プラザキサ使用症例のまとめ、(2)認知症患者さんへの服薬支援、(3)訪問時フィジカルアセスメントに取り組んで、(4)長期投与処方について考える、の4つでした。
その内容は、(1)新薬の使用症例から見えてくる問題点や、メーカーからの情報提供だけではわからない注意点等の考察、(2)在宅訪問時や薬局で直面することの多い認知症患者へのアプローチ例の紹介、(3)在宅訪問でいかにバイタルチェック(血圧、脈拍、体温などの測定)を実践し、フィジカルアセスメントを薬剤師が行うことのメリットと課題の提案、(4)長期投与不可処方の実態調査をふまえた問題提起など、多岐にわたり、短時間でしたが質疑・意見交換も活発に行われました。
●講演は「薬剤師のためのバイタルサインとその実技」
中野共立病院・小野薬局長の「薬剤師のためのバイタルサインとその実技」の講演は、バイタルチェックが目的ではなく、薬物の適正使用や副作用の早期発見のためのツールであり、薬剤師が日常行っているDIやTDM、EBMなどと同様にチーム医療の促進の観点からとらえることが話されました。また、フィジカルアセスメント、CDTM(Collaborative Drug Therapy Management共同薬物治療管理)についても実践のイメージが具体的に示され、身近なものとして認識する機会になりました。
また、これからの薬局・病院薬局薬剤師のめざすべき方向性に触れ、薬学的アセスメントをする能力がよりウェイトを占める転換期を迎えていることが示唆されました。
●実技では酸素濃度の測定も体験
実技は4グループに分かれて、実際に脈をとったり、水銀血圧計で測定したり、パルスオキシメーターで酸素濃度の測定などを体験することができました。中野共立病院の藤村看護師と内総看護師長の協力も得て、楽しく興味深く行うことができました。できるところから訪問時の実践に取り入れ、活かしていきたいという感想が多く寄せられました。
終了後の懇親会にも33名が参加し、薬学生とも交流を深めることができました